今日は、令和6年度 第36問について解説します。

令和6年度賃貸不動産経営管理士試験 第36

特定転貸事業者が行う特定賃貸借契約重要事項説明において、特定賃貸借契約の相手方になろうとする者に交付すべき書面(以下、各問において「特定賃貸借契約重要事項説明書」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

 

①  特定賃貸借契約と管理受託契約を1つの契約として締結する場合であっても、特定賃貸借契約重要事項説明書と管理受託契約重要事項説明書とは別の書面として作成しなければならない。

②  サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン(国土交通省不動産・建設経済局令和5年3月31日改正)によれば、特定賃貸借契約重要事項説明書には、書面の内容を十分に読むべき旨を記載しなければならないが、その部分を太枠で囲い太字波下線を付すことまでは求められていない。

③  分譲マンションにおいて、特定転貸事業者が専有部分のみを管理し、マンション共用部分の管理はマンション管理業者が行う場合、特定賃貸借契約重要事項説明書には共用部分の管理に関する負担を記載する必要はない。

④  入居者からの苦情対応のみを行い維持及び修繕を行っていない場合であっても、そのことを特定賃貸借契約重要事項説明書に記載し説明することが望ましい。

 

 

解説

特定賃貸借契約重要事項説明に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

特定賃貸借契約と管理受託契約を1つの契約として締結する場合であっても、特定賃貸借契約重要事項説明書と管理受託契約重要事項説明書とは別の書面として作成しなければならない

 

×不適切です

特定転貸事業者は、サブリースする物件の維持保全についても、貸主から依頼されるケースが少なくありません。

特定賃貸借契約と管理受託契約を1つの契約として締結する場合、管理受託契約の内容を特定賃貸借契約重要事項説明書に記載し、当該特定賃貸借契約重要事項説明書を用いて管理受託契約重要事項説明を行うことができます。

つまり、特定賃貸借契約と管理受託契約を1つの契約として締結する場合には、特定賃貸借契約重要事項説明書と管理受託契約重要事項説明書とは一体の書面として差し支えありません。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ②

サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン(国土交通省不動産・建設経済局令和5年3月31日改正)によれば、特定賃貸借契約重要事項説明書には、書面の内容を十分に読むべき旨を記載しなければならないが、その部分を太枠で囲い太字波下線を付すことまでは求められていない

 

×不適切です

サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドラインによると、重要事項説明書の作成にあたっての留意点は、以下のとおりです。(要約)

・書面の内容を十分に読むべき旨を太枠の中に太字波下線・12ポイント以上の文字で記載する。

・その後にマスターリース契約のリスク事項(借地借家法第32条・第28条の適用を含む)を記載する。

・書面の文字・数字は8ポイント以上の大きさを使用する。

・サブリース家賃の減額可能性と借地借家法第32条の概要を家賃額の記載の次に記載する。

・契約期間の記載の次に借地借家法第28条の概要(更新拒絶には正当事由が必要)を記載する。

 

つまり、サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン(国土交通省不動産・建設経済局令和5年3月31日改正)によれば、特定賃貸借契約重要事項説明書には、書面の内容を十分に読むべき旨を記載しなければならないが、その部分を太枠で囲い太字波下線を付すことが求められています。よってこの選択肢は不適切です。

上記は要約ですので、全文を確認したい方はガイドライン本文をご確認ください。
(サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドラインは、こちらからダウンロードすることができます。)

 


選択肢 ③

分譲マンションにおいて、特定転貸事業者が専有部分のみを管理し、マンション共用部分の管理はマンション管理業者が行う場合、特定賃貸借契約重要事項説明書には共用部分の管理に関する負担を記載する必要はない

 

×不適切です

マンション等のサブリースにおいて、特定転貸事業者が専有部分のみを管理し、マンション共用部分の管理はマンション管理業者が行うケースでは、共用部分の管理の負担は、貸主になります。
そのため、特定賃貸借契約重要事項説明書の「特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法」の項目には、貸主の負担となる旨を記載し、説明する必要があります。

つまり、分譲マンションにおいて、特定転貸事業者が専有部分のみを管理し、マンション共用部分の管理はマンション管理業者が行う場合、特定賃貸借契約重要事項説明書には共用部分の管理は貸主負担となる旨の記載をする必要があります。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ④

入居者からの苦情対応のみを行い維持及び修繕を行っていない場合であっても、そのことを特定賃貸借契約重要事項説明書に記載し説明することが望ましい。

 

〇適切です。

維持または修繕のいずれか一方のみを行う場合や、入居者からの苦情対応のみを行い、発注なども含めて維持修繕を行っていない場合であっても、その内容を記載し、説明することが望ましいとされています。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢④となります。

 

関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

★関連解説★

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R3年 第38問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R4年 第39問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R4年 第40問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R5年 第36問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R5年 第37問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R6年 第35問)

 

 

 

 

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